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テレワークを開始しましたが、会社として何か気を付けることはありますか?

テレワークを開始しましたが、会社として何か気を付けることはありますか?

2020.5.21

テレワークを導入するにあたり、会社として法的に最低限気を付けておくべきポイントをご紹介します。
 
■従業員の労務管理
テレワークを導入したとしても、従業員は労働基準法上の「労働者」ですので、会社としては労働基準法を遵守しなければなりません。
以下では、労働基準法上、特に留意すべき点を記載します。
 
①労働条件を明示すること
 
労働契約(雇用契約)時において、使用者は労働者に対して就業場所を明示する必要があります(労基法15条1項、労基法施行規則5条2項)。
テレワークとして在宅勤務を指示するのであれば、就業場所として従業員の自宅を明示することになります。
雇用契約書や就業規則などに、就業場所として「従業員の自宅」や「会社が指定する場所」などの規定がない場合には、就業場所についてテレワーク導入前に従業員に同意を得ておきましょう。
 
②労働時間の管理
 
会社は、テレワークを導入した場合であっても、従業員の労働時間を管理する必要があります。
すなわち、従業員の労働日ごとの始業・終業時刻を管理する必要があるということです。
 
また、テレワークを導入した場合には、会社が従業員の実際の就業状況を把握することが困難になります。
会社において従業員の労働時間をきちんと管理できていない場合には、後日従業員から会社に対して残業代の請求等がされるなどして、従業員と紛争に発展する可能性もあります。
そのため、会社としては、クラウド型の勤怠管理システムを利用したり、始業・就業時に電子メールや電話で報告させたりするなどして、従業員の労働時間を把握するように努めなければなりません。
 
③制度の変更や作業用品の費用負担について
 
テレワークを導入することにより、会社からすると従業員が労働時間中きちんと業務を遂行しているかを把握することは非常に困難になります。
そのため、会社としてはオフィスワークの従業員とテレワークの従業員とで賃金制度などにおいて異なる取り扱いを採用することがあるかと思います。
また、会社内での業務に必要な作業用品(パソコン等の機器や通信費用など)については会社が準備して費用を負担することが一般的ですが、テレワークを導入した際には、業務に必要な作業用品の準備や費用について従業員に負担させることがあるかと思います。
 
このとき、賃金制度や作業用品の費用負担については就業規則に定めておく必要がありますので(労働基準法89条2号、5号)、現在の就業規則に規定がない場合には、就業規則を変更する必要があります。
現段階ではほとんどの会社はテレワークを想定して制度設計をしていないと思われますので、ほとんどの会社で現在の就業規則等を見直す必要があります。
なお、就業規則の変更が当該従業員にとって不利益な変更になる場合には、労働組合などがなければ各従業員と個別に同意を得ておく必要があります(できれば書面が望ましいです)。
 
 
■情報管理
 
テレワークを導入した場合、従業員は会社外(自宅など)で会社の業務を行うことになります。
そのため、従業員が社外で会社内の情報を取り扱うことになり、社内で業務を行う場合よりも情報漏洩のリスクが高くなることが予想されます。
情報漏洩が起きた場合、流失した情報元に対する損害賠償責任や、会社としての社会的な信用の失墜など、会社として大きなダメージを受けることになります。
そのため、会社としては、十分な情報セキュリティ対策を講じることが必要になります。
以下では、会社における情報セキュリティ対策ポイントを3つの要素に分けてご説明します。
 
1.ルールの策定
まず、セキュリティポリシー等の会社としての情報管理のルールを策定することが考えられます。
その際には、以下の点を留意するとよいと思います。
①守るべき会社の情報を明確にする。
②ルールを守るべき対象者の範囲を明確にする。
③守らなければならないルールをできる限り具体的に記載する。
④社内の状況を踏まえて、運用や維持体制等を考慮しながら実現可能な内容にする。
⑤ルールの形骸化を避けるために、違反時の罰則などを明記する。
 
2.従業員に対する情報管理の教育や監督
従業員が会社外で業務を行うことにより、業務に使用する端末やUSBメモリなどの紛失や盗難、インターネット接続によるサイバー攻撃や情報の盗難などが考えられます。
そのため、会社としては、従業員に対して、
①ID・パスワードの管理方法を徹底する
②業務に使用する端末を制限する
③業務に使用する端末に特定のウイルス対策のソフトをインストールさせる
④パソコン・USBメモリや紙資料の紛失や盗難が発生した場合の報告や対応方法について周知する
など、ルールを策定するだけなく従業員に対して情報管理に関する教育を行い、従業員を監督しなければなりません。
 
3.技術的な対策
会社外でどのような業務を行うかによってどこまでの対策を講じるべきかは異なりますが、
①社内の情報にアクセスする際にID及びパスワードによる認証を経るようにする
②ウイルス対策ソフトを導入する
③ネットワークの暗号化を行う
など、様々な技術的な対策を講じることが考えられます。
具体的な対策としては、以下のページが参考になるかと思いますのでご参照ください。
 
総務省 国民のための情報セキュリティサイト
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/business/executive/03.html

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